帰りたい @ 小説推理

月刊小説誌「小説推理」の6月号に、読み切り短編が掲載されました。
「帰りたい」というタイトルの、ちょっと不思議な話です。



この手の文芸誌は、自分が普段読まない作家の文章・世界が垣間見れるというのが魅力ですね。
連載作が多いので、途中から買うととっつきにくいかなぁなんて思うこともあるのですが、たとえ途中であっても、自分の感性にびびっとくる文章というのは目に飛び込んできたりします。
以前そうやって、小説誌で途中から読んで一目惚れ→書籍化後、購入に至ったのが、渡辺淳一さんの「シャトウ ルージュ」と中山 可穂さんの「ケッヘル」。
前者は、普通なら手に取らないであろう官能物ですが、フランス風の上品な描写と世界観がなんとも素晴らしい。後者は、モーツァルトの作品を表す「ケッヘル番号」をタイトルに冠した音楽小説、ミステリでもありロマンスでもあり、壮大な小説です。教会の中で出産される衝撃的なシーンを読んで、ずっと頭から離れず、その後書籍化されたのを知って大喜びで購入しました。



さて今回の「小説推理」。推理小説ばかり乗っているわけではありません。
ルーツをたどると、「推理ストーリー」という五十年以上前に創刊された雑誌に遡るそうで、おそらく最初は推理小説専門だったのでしょうが、現在はいろいろな小説が載っています。



例えば、赤川次郎さんと浅田次郎さんの小説が並んで掲載されています。
超ベテランであり、名前が似ている(?)、という接点以外、作風はまるきり違うお二人、書店でまとめて購入することはなかなかないのでは?
他にも夢枕獏さん、藤田宣永さん……と大御所の連載作が盛りだくさん。
エッセイや漫画なんかも載っています。
6月号には、「帰りたい」の他にもうひとつ読み切りがありまして、「メトロのアッコちゃん」という物語。
どちらも働くサラリーマン・サラリーウーマン向けの話ですが、「帰りたい」が「世にも奇妙な物語」風であるのに対し、「メトロのアッコちゃん」は元気の出る小説です。







→アマゾンでも購入できます



読まれた方いらしたらぜひ感想くださいませ。